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お金をどうしたか

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 自分の中で真鶴のマンションを買いたいという気持ちは決意に近いものがあったのだが、これを妻に説得するのが難しい。 ただのサラリーマンである私にとっての一番の課題はお金である。 自慢じゃないが大した貯金はない。 ここで問題になるお金については以下に分類されると思う。 1、購入費 2、リノベーション費用(中古物件なので) 3、管理費 4、初期費用(家電や家具) 5、光熱費 1と2はある意味セット。当然、貯金で払えるわけもなく、ローンを組むことになる。物件は築30年でバブル期に9500万円だったものが、1桁違う金額になっていたので、リノベーションをすれば納得いく住み心地になると思った。作り自体は30年経っているといっても、バブルパワーでしっかりしている。ということで、結果的には、月々の支払が4万円程度、ボーナスでも10万円いかない金額で収まった。 ものは考えようだが、このくらいであれば新車を定期的に買っている人よりは贅沢でない。しかも、車ほど減価償却しないので、売れば返ってくるお金とも考えられる。それって貯金じゃない?と前向きに考える。築30年だと、かえって値崩れしないというメリットもある。 3は単純にダダ流れするお金。ちなみに当物件は、リゾートマンションなので高め。プールと大浴場があるので、4万円もする。ちなみに熱海や湯河原などで温泉が出るとなると、6万円くらいになる。このお金がアドオンするのってどうなのさ、という話だが、ここでニューノーマルという考え方を投入する。 私はお酒が大好きなので、万人に当てはまることではないが、リモートワークが常態化していくなかで、いわゆる飲み代が激減している。正直、4万円以上は確実に減っている。コロナがなくなって、3密とか言われなくなっても、リモートワークは残ると思う。週の半分くらいの出社というのが適当だろうか。仮に私がある程度、毎日出社する役割になったとしても、全員そうなるとは考え難く、全体としては3割以上、出社機会が減ると思う。 この影響はけっこう大きくて、今までは夜遅くまで残った人たちが、「一杯やるか」のノリで飲み屋に流れることがあったが、これからは出社タイミングもずれるので、なかなかそういうメンツがそろう機会が無くなってくると想定される。つまり、毎月の飲み代はコロナが無くなっても少なくなったままで、そのお金が管理費にまわると考えれば

物件との出会い

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 衝撃的な出会いだった。 2020年の夏の終わり、祖父母を連れて伊豆に旅行にいくことになった。 「セカンドハウス欲しいなぁ」と思いつつ、真鶴道路付近を走っているとき、目の前に見えている景色が私の掲げる 5つの条件 をすべて満たしていることに気づいたのだ。 湯河原にある 回転ずし「花まる」 でランチを食べながらスマホで物件を探してみる。食べ終わり、お店を出てみると目の前に不動産屋さん。中に入ってみて、おススメ物件ありますか~、と聞いてみたら、出てきた物件がスマホで探していたときに目が留まったものと同じ物件。 ひとまず湯河原を通過し、伊豆で一泊。帰りに不動産屋さんに電話して、内覧を希望してみる。部屋の窓から見た絶景。 「ここに住みたい」 と思った。 実は、今回セカンドハウスを購入するにあたって、他の物件は全く見なかった。1つには、5つの条件を満たすエリアはそんなにないと思っていたこと。2つ目は、景色がとにかく気に入ったのだが、真鶴はマンションが少なく、そもそも候補がそんなになかったこと。 理屈で言えば、即決した理由はこんなところになるのだが、本当のことを言うと、私は東京に住んでいるマンションも即決しており、即決癖があるのだ。自分が優柔不断なことはわかっているので、候補が増えるほど悩むし、後悔の因子を生むので、第一印象で気に入ったなら、買うか買わないかの二択にしてしまう。洋服から物件まで、だいたいそんな感じ。それで特に後悔したことはないので、今のところこれでいいと思っている。 とはいえ、買うか買わないかは悩んだ。結局買うわけだが、買うと決めたのは以下のような理由があった。 1、管理費の滞納はないか これは不動産屋さんに教えてもらったのだけど、とても重要だなと思った。滞納があるというのは危険信号。マンションのメンテナンスが滞る可能性もあり、今は大丈夫でも将来的な不安を抱えてしまう。リゾートマンションは100万円で買えるものなどもあるが、そういうところが抱えがちなリスクらしいので気を付けるべき。 2、定住率 これは感覚的な話。私のマンションは30%程度なのだが、これが極端に低いと、なんとなく活気がない気がする。細かなメンテナンスなどにも影響が出る気がする。ずっと住んでいて居心地がいいということは、仕事をする環境としても申し分ないと言える気がする。 3、景色が大きく変わってしま

5つの条件を満たした真鶴

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 「セカンドハウスが欲しい」と思ったのは、仕事の打ち合わせ中にもきっかけがあった。 自営業の方が、「コロナをきっかけに鎌倉に引っ越して、今は小鳥のさえずりを聞きながら、仕事をしてますよ」と言っているのを聞いて、心底うらやましいと思った。 なんでかわからないが、やたら 「小鳥のさえずり」 が頭に残り、これが場所選びにも影響した。 前回の記事 で触れた逗子マリーナは築50年くらいのマンションで、気軽に買えるのではないかと、早速調べてみたら、けっこうなお値段だった。逗子・葉山、おそるべし。 リゾートマンションの会員権という選択肢もあるのではないかと、色々調べてみたら、「ペット不可」がほとんどで、たしかに誰かと共有するのに、ペットはなかなか難しいだろうと会員権はあきらめた。 ここでいったん条件を整理。 1、職場や家から在来線で90分以内 2、海が近い 3、山にある 4、洗練された飲食店が周囲にある 5、安いマンション(1000万円前後) わりと最初の段階から、この5つの条件は整理することができたが、すべてを満たしている場所は限られている。逗子・葉山・鎌倉なんかはちょうどいいのだが、安くない。 なんでこの条件なのか、まずはそれぞれ解説したい。 ・職場や家から在来線で90分以内 これはサラリーマンがセカンドハウスを買うにあたって、けっこう重要な条件だと思う。これ以上離れてしまうと格段に使用頻度が落ちてしまい、投資対効果を回収できないと思うからだ。家族でレジャー使いだけなら、在来線がなくても良いのだが、仕事との両立を考えると、子どもと私が行くタイミングがずれることが必ずあることが想定される。その時、車をつかえず、電車も不便となると、行く気がだいぶ失せてしまう。また新幹線で90分以内に着けても、車で3時間もかかるようでは、また行くのが億劫である。家具や荷物の持ち運びなどで、けっこう車を使う場面は多い。 2、海が近い これはただの趣味。日本酒が好きなので新鮮な刺身に魅かれる。釣りが好き。波の音を聞くのが好き。景色が好き。そんなとこ。 3、山にある 東京の家が低地の海沿いなので、対照的な立地にあるのが望ましいと思った。小鳥のさえずりや森の匂い、木々の色合いなど、五感に訴えるものに魅かれつつ、津波が来ないとか、塩害がないとか、そういった現実的なことも考えた。葉山のように海と山のセットの景

移住はやめてセカンドハウス

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 コロナがなかったら、おそらくセカンドハウスを買おうなんて夢にも思わなかっただろう。 そもそも、別荘に価値を感じなかった。 別荘を買うなら、好きなところに旅行に行けば良い。 別荘の購入費や維持費を考えれば、何度も素敵なホテルに泊まれることだろう。 メンテナンスも必要ない。 ただのサラリーマンにとって、 別荘なんて無用の長物に過ぎない 。 そう思っていた。 ガラッとその考えが変わったのは、コロナのせい。 正確に言うと、コロナ感染拡大によって緊急事態宣言が発令され、リモートワークが始まり、これが定着したせい。 リモートワークは画期的だった。技術的には以前からできたことだったけども、社会全体がオンライン上で商談や会議を行うことを許容したことが大きかった。 やってみたらできたし、けっこう便利だということに気づいてしまったので、たとえコロナが世の中から消滅したとしても、この変化は戻らないだろう、そう、ニューノーマルになるだろう、と確信した。 その時、ふと疑問がわいた。 なんで東京に住んでいるんだっけ。 答えは簡単だ。職場が東京にあるからだ。 でも、通勤する必要がないのなら、どうだろう。 「もはや東京にいる意味はない」 とはいえ、移住は問題が多かった。 そもそも毎日行かなくても、通勤することはある。連日になることもある。 妻は都民でいたいらしい。 2人の子どもには小学校の友人がいる。 しかし、どこで仕事をしてもいいのに、殺風景なコンクリートジャングルにいるなんて。 集中したいときにでも、子どもの友達は隣のリビングにやってくる。犬がほえる。 ニューノーマルになったって、書斎なんてもてないマンション暮らしでは、会社がベストな仕事環境なんだろうか。 2020年夏、逗子マリーナに家族で遊びに行っていたとき、妻がなんとなしに言った「こういうところに別荘があったらいいね」を聞いて、 「そうか、もう一つ家があればいいんだ」 と思ったことがセカンドハウスを買うことになったきっかけになったのだった。